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This article was written on 21 2月 2012, and is filled under インタビュー記事累計, 本間毅氏.

起業は人を育てる究極の方法×本間毅氏(3)


起業は人を育てる究極の方法×本間毅氏(3)http://entrepreneursmind.net/wp-content/uploads/2012/02/4f26c4efe93e7a617181338d684676f7-150x150.jpgEntrepreneurs' Mind

起業は人を育てる究極の方法×本間毅氏(3)今回は本間毅さんへのインタビュー最終回です!
前回の記事はこちら→「ここ数年はスタートアップブーム×本間毅氏(2)

本間毅(@thonma)

1974年生まれ。中央大学在学中に起業。1997年にWebインテグレーションを行うイエルネット設立。ピーアイエム株式会社(後にヤフージャパンに売却)の設立にも関わる。2002年イエルネットの全営業権を譲渡し、2003年ソニー株式会社入社。ネット系事業戦略部門、リテール系新規事業開発等を経て、2005年よりグループ内のネットメディア開発。2008年5月よりアメリカ西海岸に赴任。電子書籍事業の事業戦略に従事。現在はシリコンバレー在住。2012年2月楽天株式会社執行役員就任。

blog「イントレプレナーの視点」:http://takeshi.weblogs.jp/

 

ジョブズのように世界を変えろ!

「世界に通用するサービスを作るために、日本国内で起業することも全然否定しているわけではなく、有りだと思っています。今は海外にもアプリを売れる時代になった。実際、中国で作ったアプリが米国で流行っている事例もあるしね。どんどんチャレンジすべき」

前回の記事でも書いたが、世界に出たほうがいいという意見は「あえてロジカルに」考えた意見だ。では、日本発信で世界に通用するにはどうすれば良いのか。

「ただ、やるなら世の中を変えるんだ!という意識をもってやってほしい。どの時代であれ、どの国であれ、世の中を変えるのはベンチャーなんですよ。大企業の場合、今までやってきたビジネスを維持することが前提になっている。だから、彼らがこれから世の中を変えるようなチャレンジって起こしにくいよね」

ベンチャーが世の中に対してそういった気概を持ち、イノベーションを起こす。

「例えば、ジョブズが亡くなったとき、全米が泣いたよね?なぜかというと、彼はリスペクトされているから。そして、なぜリスペクトされてるかというと、彼は人のライフスタイルを変えてくれたから。彼の作ったプロダクトや世界観がもたらすライフスタイルの変化を人々は知っていた。その結果、彼の功績は讃えられた。アメリカであれ日本であれ、スタートアップがみな、人のライフスタイルをより良くするという志を持ってプロダクトを作っていれば世界は変わるはず」

起業は人を育てる究極の方法だ!

「僕が起業したのは十数年前の大学時代。当時は学生起業なんて世間で認めてくれる人は非常に少なかった。銀行は学生にお金を貸すわけないと思っていたし、学生のお遊び程度にしか思われていなかったと思う」

世間の目に映る学生のビジネスは、取引にしろ雇用にしろにしろ、”全てが中途半端なんだろう”という冷たい視線。

「でも、今は違う。昔と比べれば、社会的なイメージもだいぶ変わり、学生起業も受け入れられるようになった。かつ、世の中の結構な部分をITの力で変えていけることを色んな所で目にするようになった。だから、若者でも起業ができる時代。ただし、経営のモチベーションがお金になってしまわないようにしてほしい。お金を目標にしてしまうと、ある程度稼いでしまえば前のめり感がなくなり、スピードが落ちる。起業家最大のチャレンジはモチベーションを保つことなんだ!」

その点、孫正義さんはモチベーションが湧き出ている起業家。あれだけお金があるのに、あれもやんなきゃ、これもやんなきゃと、走り回っている。

「そして、なにより『起業』とは最大の教育だと思っています。会社って一つの社会じゃない?少人数で起業すれば、社会で必要なだいたいのことはやる。それは、広告、人事、会計、総務、営業、企画等々。全部やるのは大変だけど、その先で、その経験あってこそ今があるんだって必ずおもえるようになるから。苦労通じていろんなことを学んで、自分を成長させていくことができると思う」

失敗は早い段階に!

「学生起業すべきか、社会経験積んでから起業すべきか迷う人がいます。でも、あんまり環境をベースに考えるべきではないんじゃないかな。僕が思うに、今ある環境においてベストなことを考えぬいて実行すべき」

氏が起業したいと思ったのは、たまたま学生時代だった。その環境下で「ベストな選択肢は何か」をずっと考えていた。

「金もなければ、人脈もなく、経験もなければ、アイデアもありませんでした。でも、環境を嘆いていても何も始まらないと思って僕は起業したんだ。悩む前にまず試行錯誤してみた。苦しかったけど、乗り越えられた」

氏が乗り越えられたのも、将来の目標を明確に掲げ、いま自分にできることをブレイクダウンしていくことができたからだという。

「さっきも言ったけど、起業経験って最大の教育だからマイナスってないんだ。冷静に考えれば、学生って失うものなんてないじゃない?経営が上手く行かなくても、6,7年大学に行ってからでも就活できないこともない。失敗って早い分だけ軌道修正がしやすいからね」

メッセージ

たとえ、失敗しても成功しても、人にもらった親切や恩は忘れちゃいけません。人に対して感謝する気持ちがない人は絶対成功しない。人間は、親切してもらった人に感謝して生きていける人と、ラッキーだったな!と思って忘れてしまう人の2つに分類できます。前者は次も親切をしてもらえるだろうけど、後者はそのラッキーはもう二度と降りてこない。シリコンバレーはgiveの文化。give&takeの中でtakeばっかりやってる人は相手にされないですよ。相手が何を欲しがってるとか考えず、自分が欲しいものをひたすら求めようとする。

感謝を忘れないことと、その感謝の気持ちを何らかの形で表現すること。そして、次につなげていくこと。どんな世界でもこれは言えると思う。やくざやマフィアの世界でも。人と人との関係で成り立っている以上、その原則は変わらない。感謝しなくても能力があるから成功するぜという人もいるけど、そういう人って必ず足元すくわれる。何の根拠もないけど、そうだと思わない?

 
著者プロフィール: Samurai Incubate Inc.所属 Entrepreneurs’ Mind編集長 両角将太
早稲田大学政治経済学部経済学科在学中。
起業家インタビューの繋がりがキッカケで
Incubate FundやSamurai Incubateと関わるようになり、Samurai Incubateに入社。
現在は、Samurai Startup Islandにてイベントやメディア、SSI施設の運営を担当中。
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