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This article was written on 02 10月 2011, and is filled under インタビュー記事累計, 岩瀬大輔氏.

起業の楽しさ×岩瀬大輔氏(2)


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起業の楽しさ×岩瀬大輔氏(2)岩瀬さんへのインタビュー第2回目です。
前回のインタビューはこちら→ http://entrepreneursmind.net/?p=542

岩瀬大輔

ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長
大学在学中に司法試験合格、1998年東京大学法学部卒。

BCGにて2年間在籍した後、ICG日本法人立ち上げを経て、リップルウッド・ジャパンにて企業買収や事業再生に携わる。2006年ハーバード大学経営大学院修了、同校では上位5%の成績優秀者であるBaker Scholarに選ばれる。日本人では4人目の功績。2006年にライフネット生命保険の設立に参画。

世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
ライフネットHP:http://www.lifenet-seimei.co.jp/
著書:「入社1年目の教科書」「ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

132億円集めたビジネスプラン

挫折したことはない

「挫折って思ったことは一度もありません。もちろん、苦労したことや上手く行かなかったことはよくありました。でも、それは挫折ではないよね。だって、努力すれば必ず乗り越えられるんだから」

氏は、頑張っていればその努力は報われると信じている。

「恩師が教えてくれた言葉に『失意泰然、得意淡然』というものがある。落ち込んでいるときこそ、堂々と生きろ。上手く言ってる時は淡々としろ、調子に乗るな。ということ」

これを守ってきたからこそ、挫折はないと言い切れるのだ。

「ライフネット立ち上げから半年くらいは契約が全然増えませんでした。でも、これも挫折だとは感じていなくていつかは結果が出ると信じていました。結果的にはその後うまくいっているし、そもそも、世の中のあらゆる物事に意味があると思っています。だから、そのストーリーの1チャプターだと思えば、別にあんまり気になりません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風ない所に、凧は上がらない

氏は失敗をも上手く味方につけている。このポジティブさはどこから生まれたのか。

「ポジティブなのは生まれつきなのもあるけど、今までいろんなキャリアを積んできて気付いたことがあって、それは人間ってちっぽけな存在で大きな流れの所詮たったのワンピースだってこと」

自分自身が世の中の流れの1つだと気付いた。これが岩瀬氏の考えの根底にあるものだという。

「出口がよく使う言葉にこういうものがあります。『風がない所には凧はあがらない』。要するに、自分がどう頑張っても、世の中に大きな流れがないと何も成し遂げることはできない。波がない所ではサーフィンできないでしょ?」

逆に、波があるときはチャンスを逃さないようにしなければならない。

「世の中はこんなにシンプルな原理でできている。だから、悲しいことや辛いことがあったときは、『これは何を教えてくれようとしているのだろう』とか『これは何を意味しているんだろう』と考える。そうやって、常に自分がどんな流れの中にいるのかを考えてみると気が楽になりますよ」

上手くいっている時ほど恐くなる

どんなことでもポジティブに考える岩瀬氏。彼には恐いことはないのだろうか。

「僕にも恐いと思うことがあります。それは『上手くいっているとき』。何も失敗とか、不安がないときはどうも気持ち悪くて。というのも、人生って良い時と悪い時の波があると思うからです」

人生、おいしい話はない。上手く行っているときほど、恐いのだという。

「うまく行っているときはそれに見合った努力をしてきたおかげ。だけど、上手く行ったからと言って力を抜いていると、その分後でしっぺ返しがくる。だから、そういうときは恐くなってまた努力するんです。そもそも、本当に価値あるものは簡単に手に入らないし、簡単に手に入るものはそんなに価値がないと思っている。そう思うと辛いとき、頑張れます」

ゴールはない

「人生って旅のようなものだと思っています。目指すべきゴールがあるのではなくて、大陸を鉄道で横断するようなね。もし、早くゴールしたいなら飛行機に乗ればいい。だけどそうじゃなくて、旅の風景や時間を楽しむようなもの」

ゴールにたどり着くことよりも、そのプロセスを楽しむべきだという。

「自分はどんな人生を歩みたいのかと、ずっと考えていました。この問いに対する自分なりの答えは社会に足跡を残すこと。そのためには自分にフィットする職場を選ばなければならない」

彼が求めていた職場とはどういったものなのだろうか。

「まず1つ目は、一緒に働く人。僕は『何をやるか』よりも『誰とやるか』だと思っています。気が合わない人と面白い仕事をするのと、普通の仕事をワクワクする人と一緒にやるのとどっちを選ぶ?もちろん、僕は後者。そして、2つ目は自分にしかできない仕事ができる場所。みんな違う生き方をしているし、違う背景がある。なので、誰にでもできるような仕事をやるのではなく、自分にしかできないことをやることだと思っています」

理想の職場にはこの2つが欠かせないという。

「僕は今すごくハッピーです。なぜなら、自分と一緒に働きたいと言って入ってきてくれた素晴らしい仲間に囲まれて、自分にしかできないことがやれるから。そして、きっとこの会社は100年後も残ると思うので、そういう環境で仕事をやってることがすごく嬉しい」

学生へのメッセージ

若い人たちに頑張ってほしいのは『一人一人が変わること』。日本の国際競争力は…とか言われるけど、『日本』という括りでマクロで考えること自体がナンセンスだと思う。僕は「日本」っていうものはないと思ってるんです。だって、それぞれの個別の企業の集合体でしょ?これは『会社』に関しても同じことが言えると思っていて、会社の競争力は…とかではなくて、1人1人の社員の集合体ですよね。だから、構成員である1人1人がどう変わっていくのかが大事。自分が変わることが世界を変える一歩になると思います。

この時代は皆さんにとって素晴らしい時代。いろんな価値観やいろんなキャリアパスが許されている。例えば、僕らの時代にはあんまり起業とか選択肢がありませんでした。それに、社会人と話す機会なんてほとんどなかった。当時はそういうことをやる人は少なかったけど、今はいろんな人がやっている。そういう意味ではすごく恵まれてて、意欲と努力次第ではすごくチャンスがある時代。目線を高く持って、そのチャンスを生かすも殺すも自分次第なので、素晴らしい人生を送ってください。

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