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This article was written on 11 9月 2011, and is filled under インタビュー記事累計, 鈴木仁士氏.

Wondershakeができるまで×鈴木仁士氏(1)


Wondershakeができるまで×鈴木仁士氏(1)http://entrepreneursmind.net/wp-content/uploads/2011/09/satoshi_suzuki1-150x150.jpgEntrepreneurs' Mind

Wondershakeができるまで×鈴木仁士氏(1)久々の更新です!
今回はWondershake.IncのCEO鈴木仁士氏にインタビューしてきました。


鈴木仁士氏
Wondershake.Inc CEO
Open Network Lab 第2期生
国際基督教大学卒業
TECLOSION 2011 最優秀賞
2011.9.12~14にサンフランシスコで開催されたTechCrunch Disruptにて Best Use of Social Data Award 受賞
HP: http://wondershake.com/jp/
twitter:@Doubles9124

 

Wondershake

「自分達はこれからチームでサンフランシスコに移動してサービスを創って行きます。だから、現地のアメリカに力を入れつつ、可能な限り日本でも自分たちのサービスを盛り上げていきたいと思っています」

アメリカにて登記を完了し、スタートを切ったWondershake Inc.の鈴木 仁士氏。
Wondershakeというのは、自分の近くにいる気の合う相手を発見し、その場でコミュニケーションが取れるスマートフォンアプリケーションだ。

http://wondershake.com/jp/

 

 

 

 

「こうやってアプリは完成してるけど、実際にコードを書いて開発をしたのは自分のチームメンバーです。途中までは自分もプログラミングの勉強をしながらやっていました。でも、ふと立ち止まって自問自答してみました。自分はプログラミングがしたいのか?それとも、面白いサービスを創りたいのか?そのとき、はっと気づいて最高のチームを創って同じゴールを実現しようと思いました。もちろん、2つを両立することも出来るけど、自分自身が一番面白いと思えることに集中しようと思いました」

Wondershakeのメンバーは5人。彼が代表で、他はiPhoneエンジニア、デザイナー、サーバーサイドエンジニア、マーケティングをそれぞれ担当している。

「メンバーは知り合い経由で紹介してもらうことが多かったです。そこで学んだ仲間集めのヒントは、自分のやりたいことを何度も言語化して形にして動き出すこと。諦めずにとことんやる。そうすれば、相手にも可能性が伝わり、何かが心に響き始める」

エンジニアは彼が会ってきた起業家などから紹介を受けていたそうだ。そして、自らの足で口説きに行っていた。

「だけど、正直仲間を集めるのには時間がかかりました。特に知名度がないときは。ちゃんと流行るのかがはっきりしていないままだと、信じてもらえないのは当たり前ですよね。なので、周りの人に聞いてもらったりして、それが自分でも腹落ちするまでとことんブラッシュアップしました」

彼はWondershakeのチームビルディングにはひと苦労したようだ。

「今は最高のメンバーが揃ったと思っています。だけど、これだけの仲間を集めるまで、相当時間はかかりました」

以下では、彼がコンセプトを思いついてから、仲間と共にそれを実装するまでの経緯を描く。

実現したいストーリーが思い浮かんだ

「まず、コンセプトが浮かんだのは大学3年生のとき。カンボジアやベトナムにバックパッカーしに行ったのがきっかけです。自分が行ったところはすごく貧しかった。でも、そういう所って人が繋がってコミュニティになってる。それはリアルで会って、挨拶もし、身近な存在になるから」

彼はいろんな国を訪れた経験がある。ロンドンやサンフランシスコ、ニューヨーク、そして東京。どの国の都会を見ても、人とのつながりに無関心になりやすい。どこもビジネスで忙しそうな印象を受けたそうだ。

「Twitter等のネット上ではいろんな人とつながれる。たしかに、ネット上で遠く離れた人とつながれることは素晴らしいと思う。だけど、自分は同じ場所に同じ時間にいることに意味があると思っていました。そこで、お互いを知るキッカケがあったり、つながるキッカケがあれば人間関係は間違いなく変わる。そのコンテキストを提供したいと想い始めていると……」

インターネットが進化し、ネット上でいろんな人とつながれる時代になった。そこで、ネットからリアルに落とし込めるんじゃないかと考えているうちに、Wondershakeのアイデアが頭に浮かんだ。

最高のチームを創って走り始めた

「コンセプトが浮かんだのはよかった。でも、コンセプト自体にはもちろん意味があまりない。なぜなら、それを形にして、世界に提供しないと何も動かないから。ただ、自分1人で0からプロダクトを一気に作れる能力はなかった。そこで自分の中で響いたのがApple社CEOであるジョブズのスタイルでした」

ジョブズもプログラミングが専門ではなかった。だから、彼は優秀エンジニアであるウォズニアックとチームを組んで、開発を彼にリードしてもらった。そのおかげで、彼は経営やデザインに専念することができたのだ。

「それまでは自分も勉強する必要性にかられていました。もちろん、コードは書けた方が良い。それに、そのプロダクトを人に使って貰うのだから自分がその裏の仕組みを理解してる必要もある。ただ、自分がやるよりも100倍、1000倍上手く出来る人がいることも知ってた。だから、自分はとにかく動き出しました」

彼は知り合いの経営者や友達等に紹介してもらいつつ、チームを作り始めた。

「そこで、俺の役目は最高のチームを集めることだって気付いたんだ。チームのみんなが純粋に楽しみながら作業ができるような環境をつくろうと思った。そのために、去年の年末にアメリカに行って、構築中のサービスのデモをしに行ったんです」

これがSF New Techというサンフランシスコで毎月開催される現地のデモイベント。このとき、Wondershakeがアメリカのメディアに取り上げられたそうだ。

「でも、まだまだ実物はできないまま。一番の問題はスピード感がなかったことです。だから、1月頃からOpen Network Labにジョインしました。現在、日本にはシード段階のスタートアップを支援するモデルがたくさん出来つつあります。なかでも、彼らは世界をとことん狙っていた。だから、Open Network Labと一緒にやってみたいと思ったんです」

Open Network Labとは、海外進出する起業家を支援するコミュニティ。メンター制や資金提供、起業家やエンジニアの交流などあらゆる面でスタートアップを支援している。
http://onlab.jp/

「ここでは週1で4チームが集まって、進捗度を報告する。他のチームはみんな優秀なので、スピードがすごく速いんです。自分達はコンセプトが面白くてデザインも形になってきてたけど、まとまった開発力がなかなか取れなかった。でも、ここに入ったおかげで自分たちを無理やり追い込める環境ができた」

世界で勝負

それ以降も、彼らは勢いを付けるために様々なデモイベントに参加していた。まだアプリは出来上がっていなかったにも関わらず。すると、徐々にWondershakeの認知度が上がってきた。

「日本のスタートアップ向けのイベントや、シンガポールのスタートアップイベントなどでピッチをしてました。現地での認知度が欲しかったと共に、ユーザーさんからのフィードバックも欲しかったというのもあります。そして、アプリが出来上がってからは、アメリカに行ってPlug and Play Tech CenterのiExpoにも参加した。そして、帰国後のTECLOSIONで幸運にも優勝したんです」

Plug and Play Tech Centerは、GoogleやeBayなどの大きなサービスが生まれた場所だ。
http://wondershake-blog.tumblr.com/post/4254418373/wondershake-at-plug-and-play-iexpo
また、そこでTECLOSIONは4月に日本で開催されたTech Crunch Japan主催のでもイベント。
https://teclosion.com/2011spring/

Wondershakeにとって、この4月が転機だったという。

「最高のチームだなーと思い始めたのはこの頃。このメンバーだったら何度でも挑戦出来ると思いました」

そこから、リリース前に微調整しようとブラッシュアップをかけた。これには思った以上に時間がかかったそうだが、7月に正式リリースが決まった。

「そもそも、起業した理由は世界を変えるプロダクトを作りたかったこと。そして、もう1つ、海外で成功した日本人としての事例を作りたかったこと。というのも、そもそも俺が留学中にシリコンバレーで会った日本人の起業家にすごく刺激を受けたからなんだ」

現地の日本人起業家は世界の第一線で活躍する人たちと対等に話していたそうだ。彼はそれをカッコイイと感じた。

「例えば、中田がセリエAに行ったとか、イチローがマリナーズ行った、みたいな感じ。日本人の起業家はあんまり海外にいない。それをみて、俺は世界で実際に成功した日本のスタートアップの例がもっと作りたいと思った。こういうのが増えてったらそれが当たり前になるから。俺もそういった目標になれたらいいなと思ってる」

日本の若手起業家の代表として、海外に向けて勝負に出る。

「俺はリーダーとしてチームを盛り上げていかなきゃならない。この最高のチームでWondershakeは世界を狙いに行きます」

(文 両角@ryokado)

ありがとうございました!
次回は鈴木仁士君が起業した理由、そして目標を語っていただきます。

続きはこちら→海外で起業する意義×鈴木仁士氏(2)

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