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This article was written on 24 7月 2011, and is filled under インタビュー記事累計, 宇佐美進典氏.

起業について×宇佐美進典氏(3)


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起業について×宇佐美進典氏(3)宇佐美進典氏へのインタビュー第3回目。
前回のインタビューはこちら

宇佐美進典

株式会社ECナビ 代表取締役社長

1972年10月12日生まれ。愛知県出身。大学卒業後コンサル会社へ就職。その後数社を経て1999年10月にアクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)創業。2005年12月、サイバーエージェント取締役に就任。2009年10月、リサーチパネルエイジアを設立、取締役就任。2007年日中韓若手経済人コンテストにて「若手経済人新人賞」を受賞。 また、2011年10月に社名を「ECナビ」から「株式会社VOYAGE GROUP(ボヤージュグループ)」に変更。

HPはこちら→http://voyagegroup.com/
twitter:@usapon
氏の共著:『新・データベースメディア戦略。オープンDBとユーザーの関係が最強のメディアを育てる

すごいことをやりたい

「ECナビが二社目の会社なんだけど、実はちゃんとした事業計画を作らずに起業しました」

はっきりとした事業計画がないのに、どうして起業したのだろう。

「インターネットの可能性を信じて起業したんです。けど、何も目標がなかったわけではないんだよね。単に儲かるからやってます、とかじゃ面白くないでしょ?自分の人生をかけてやるからには世界を変えるような『すごいこと』をやりたいなと思った」

何か「すごいこと」をやるために起業したという宇佐美氏。漠然としているが、心の内には強い軸を持っていた。

「会社を立ち上げてから、今まで世界を変えてやろうという思いでやってきました。起業して12年経って人材も揃ってきたし、資金も充実してきた。これでやっと世界を変えるための準備ができたという段階かな」

ここからが本番。彼らは社会をどう変えていきたいのだろうか。

「どういうふうに世の中を変えていきたいのかっていうと、あえて具体的に決めてないんだよね。もちろん、悪くしたいわけではなく、今の社会をよりよくしたいとは思っている。あえて具体的に決めていないのは、それぞれの事業の中でやれる『すごいこと』って全然違うから」

すごいことをやるという経営の軸。では、宇佐美氏自身の軸とは何であろうか。

「僕自身も会社も同じように、『世界を変えるようなすごいことをやろう』というスタイル。その思いで起業し、ここまでやってきました。ただ、変わってきた部分はあります。それは『世界を変える』の主語が違うということ」

起業した当初は「自分が」変えようとしていたが、組織が大きくなってからは「チームが」変えようとするスタイルに変わったそうだ。

「やっぱり、やっていくうちに自分一人でやれることの限界がわかってくる。そこで、自分ではなくチームですごいことをやれるようにしていきたいな、と思うようになってきました。今では色んな事業があるので、それぞれがすごいことをやっていける仕組みを作っていくことが僕にできることですね」

ECナビ内で、「すごいことやる」という思いを実現する方法は広がってきた。しかし、現状に満足せず、さらにそういった仕組み作りに励んでいこうとしている。

「ただ、僕の生き方の根本としては、後悔しない人生にするということ。人生は一度きりです。自分が死ぬときに、どうしてあれをやらなかったんだろう、とやらなかったことを後悔したくないよね。たとえ、上手く行かなかったとしても『失敗はしたけど挑戦はしたんだよ。やりたいと思ったことは全部ね』と笑って天国にいけるような生き方にしたいです」

自分の可能性を信じろ

ところで、現在の生き方と対比して、ドロップアウトする前の宇佐美氏はどんな学生だったのか。

「昔の話をするけど、高校時代の僕は学校の中でも下位の成績でした。部活をばりばりやっていたというわけでもなく、まあ女の子を追っかけてましたね(笑)」

高校時代は遊んでいたという宇佐美氏。この頃は特に「すごいことやろう」とは全く考えていなかったそうだ。

「そもそも、その頃は自分の可能性を信じていなかった。いや、自分の可能性に気付いていなかったと言った方が正しいかな。まあ僕の場合は、仕事を始めて会社がそれなりに大きくなってくると、自然と信じられるようになりました。社長が自分のことを信じていないと会社だと、『社長についていっていいのかなあ…』って社員に信じてもらえないでしょ?」

では、自分の可能性を信じるとはどういうことなのか。

「Facebookのザッカーバーグを思い浮かべてもらうとわかると思うけど、彼は今では億万長者。でも、学生時代の彼と普通の学生とで比べるとそんなに大きな差はなかったはずなんだよね」

とはいえ、あれだけ成功しているのには普通と違う何かがあったはずだ。その違いは何だろう。

「運の側面もあるかもしれないが、これをやれば必ず上手くいくんだ!って自分を信じてやり抜いたことじゃないかな。人の能力を比べて100倍も差があるかっていうとそんなにあるはずがない。仮に、大学生ですごくできる人とそうでない人の差ってせいぜい5~10倍くらい」

長い目で見ればその差は誤差の範囲。宇佐美氏は過去を振り返ると、たしかにそう感じるそうだ。

「実績がないときには自分のことを信じることは難しいかもしれない。しかし、まずは何もやってなくても自分を信じることが大事。実績があって自分を信じるのではなく、実績がなくても自分が自分のことを信じる。それが自信に繋がるんです」

成功するために一番大事なことは、根拠のない自信を持つこと。

【メッセージ】

若いうちからとりあえずやってみて欲しい。いろんなものは後からついてくるから、まずは失敗を恐れずに一歩を踏み出すこと。実は、世界は自分が思っている以上に広いし、自分の可能性も自分が思っている以上にいろんな可能性があります。そこで、その可能性を可能性のまま終わらせるか終わらせないかっていうのは本人次第。その一歩踏み出すか踏み出さないか、にかかっています。それに、どうせ失敗するんだったら30,40を過ぎて失敗するよりも若いうちに失敗した方がいい。若くして失敗しても、失敗したことを笑って済ませられるはず。要は、若いうちからやったほうが、よっぽどそのあとに活きる部分があるから、失敗なんて恐れずまずはやってみて欲しい。

(文 両角@ryokado)

以上で宇佐美さんのインタビューは完結です。
ご精読ありがとうございました!
次のインタビューは家入一真(hbkr)さんです!

宇佐美氏の著書

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